Do U like BASS? pt.6

hasegawa

予告通り今回は、実際にどうやってバスを釣るかについて書いていきたいと思います。
実釣にあたり、当然ながら何らかのルアーを選び、それをキャストして釣らなければなりません。
そこで今回はいくつか、ルアーごとの釣り方を解説していきたいと思います。

クランクベイトを使ってみませんか?
バスフィッシングのハードルアーを象徴する存在。それがクランクベイトです。
浮力が高く、リップで潜行し、一定の深さを巻ける。
それでいて、ハードルアーの中では飛び抜けた根がかり回避性能があります。

まずは、オープンウォータ(何もないひらけた場所)に立ち、ラインにクランクベイトを結んでください。
真夏や真冬よりも、春先や秋口が良いでしょう。
上級者は水草が生えていたり木が沈んでいるようなロケーションでも、躊躇わずにクランクを投げます。
が、今回はオープンウォーターです。初心者ならそうしておきましょう。
水質はクリアより少し濁っている方が良いかもしれません。
竿先にルアーの重みを乗せ、反発力を生かして遠くまで飛ばします。

クランクベイトは、飛距離が稼ぎやすいルアーです。(一部を除く)
そして、ただ巻き取るだけで釣れる可能性のあるルアーです。
ひとまずは「簡単なルアー」だと思ってもらって良いかと思います。

遠くまで飛ばせば、それだけ長い距離を巻けます。
クランクベイトの良いところは、リールを巻いているだけで手元に心地よい抵抗と振動が生まれるところです。
モチベーションをキープしやすいのは、長時間釣りをする時に大事なことです。
これしか投げない人もいるくらい確立されたルアージャンルで、膨大な種類が存在しています。

特徴的なのは「リップ」でしょうか。
この長さや幅によって、潜行深度や動きが変わります。
クランクベイトはその潜行深度によって分類され、同じシリーズのクランクでも
・SR(シャローランナー:リップが短く深度が浅い)
・MR(ミッドランナー:所謂普通のクランクベイト)
・DR(ディープランナー:リップが長く深度が深い)
・XD(エクストラディープ:リップが本体より長かったりする深場用)
などに分類される、システムルアーです。

水中の中層を、ただ巻いてくるだけで釣れることもあります。
しかしそれは稀なことで、多くの場合、何かしらのストラクチャー(障害物)を絡めて釣るのがクランクベイトの使い方です。
「障害物かよ…」と、ルアーロストを恐れることはありません。障害物には「底」も含まれているので。
先ほど挙げたように、クランクには潜行深度が設定されています。
では、1mしか水深が無い場所で2m潜るクランクを使うとどうなるでしょう?

設定された潜行深度を越えても、クランクは下へ下へと潜ろうとします。
この時リップは水底に接触し、土煙を上げたり接触音を鳴らします。
この土煙がラインの存在を消し、ルアーのシルエットを曖昧にし、プラスチックの塊を餌のように見せます。
この釣り方は「ボトムコンタクト」と呼ばれています。

水中の障害物にぶつかった際には、巻くのを止めてみてください。
クランクは浮力の高いルアーなので、ゆっくりと浮上するはずです。
根掛かり回避の意味もあるのですが、クランクはこのタイミングで釣れることが多いルアーです。
ただ巻くだけではなく、止めてみたり緩急をつけることで、釣れるチャンスが高まります。

様々なテクニックがありますが、そういうのが面倒な人は「早巻き」をやってみてください。
かなり強い抵抗感がありますが、かなり早く巻きます。
そうすればバスはクランクを視覚で捉えきれず、何らかの生き物と勘違いして、激しく追ってきたりします。
ここで肝心なのは、多くの場合ずっと早巻きだけしていても釣れないということです。
時折バスが噛みつけるようスピードに緩急をつけ、ルアーに意図的な隙をつくることで、釣果に繋げられるでしょう。

「マグナムクランク」というアホみたいにデカいクランクベイトもありますが、意外とよく釣れます笑
深さやスピードや動かしかたなど、是非色々と試して、クランクベイトで良いバスを釣ってください。

テキサスリグは王道リグ
ハードルアーをテクノロジーの結晶だとするなら、ソフトルアーはさながらアイデアの結晶かもしれません。
一般的に「ワーム」と呼ばれているのが、ソフトルアー全般です。
その形状は様々で、ミミズ/小魚/エビ/ザリガニ/昆虫などを模したものから、何やらよくわからん形のものまであります。
形状を工夫することで、水流で自発的なアクションを発生させるものあり、動きを見ているだけでも楽しいです。

ワーム単体にフックを刺してそのまま使うものもありますが、ワーム独自の要素として「リグ」(仕掛け)というものがあります。
ワームにおけるあらゆる釣り方は「〇〇リグ」と呼ばれています。
「ワーム+フック+??=〇〇リグ」
これがリグの公式です。
そしてリグには膨大な種類があります。

ワーム+フック=ノーシンカーリグ
ワーム+マス針ネイルシンカーネコリグ
ワーム+オフセットフック遊動式シンカーフリーリグ
ワーム+ジグヘッド=ジグヘッドリグ
これらはシンプルなリグですが、高度なものもあります。
・ワーム+(フック+ショートリーダー)+シンカー=ダウンショットリグ(常吉リグとも)
・(スイベルアーム+シンカー)+(ショートリーダー+小型ワーム)=ヘビーキャロライナリグ
などなど…

数多のリグから今回オススメするのは…王道中の王道、テキサスリグです。
ワーム+オフセットフック+バレットシンカー=テキサスリグ
バスアングラーなら誰しも使ったことがあるはずなリグですが、これが奥深い。
一番の特徴は、砲弾型の「バレットシンカー」です。
バレットシンカーには、どのようなメリットがあるでしょうか?
・シンカーが装着されているので、底の感度が高い
・キャスト時と回収時に障害物のすり抜けが良い
・砲弾型により素早く沈む
・根がかりしにくい
・ノーシンカーよりも飛距離が出る
挙げたメリットだけでも使う価値があるのは明白ですが、一見よくわからないメリットもあるかと思います。

「素早く沈む」ことのメリットとは?
ワームにはノーシンカーで使った方が良いものと、シンカーを装着したほうが良いものがあります。
一般的にノーシンカーはゆっくりと沈み、生命感のある動きでバスを食わせます。
ノーシンカーが万能かというとそうではなく、水深がある場所やバスの活性が高い時期には、素早く沈めた方が釣れることも多々あるのです。
素早く動く=ルアーを見切る隙を与えないとも言えるので、テキサスはジグのよう水底で動かす釣り方にも適しています。

テキサスリグを組むとき、どんなワームを使用すれば良いのか?
実は大半のワームはテキサスリグとして成立します。
ルアー=生き物を模している。と考えるのなら、その釣り場に住む生物に似たものを使うことで、バスを騙せる確率は上がるかもしれません。
テキサスリグは主に水底で使うリグです。一般的にはテナガエビやザリガニ、小魚などに似た形のワームが適しているとされています。
ただしバスはルアーを見飽きると食べてこなくなるので、オリジナリティのある、意表をつくようなワームをセレクトするのも面白いと思います。
テキサスリグは底モノとしてはズバ抜けて根がかりしにくいリグなので、ややこしい場所にも臆さず投げて釣果を出してください。 

スピナーベイトは使いやすいルアー
以前書いたように、スピナーベイト(以下:スピナベ)は最も擬似餌らしいルアーとも言える、独特な見た目をしています。
「く」の字型に曲げられた金属ワイヤーの片端には、金属でできた回転板(ブレード)が1枚か2枚取り付けられています。
もう片端には、ラバーが巻かれたシンカーと一体化したシングルフックが固定されています。
ほぼ全てが金属でできているため「ジグ」に分類されるのかと思いきや、このジャンルは「ワイヤーベイト」と呼ばれています。
パッと見「なんじゃこりゃ?」という形をしていますが、実は使い方がシンプルで、よく釣れるルアーなんです。

晴天無風のクリアウォーターで、バスを釣ることは難しい。
これまで、そういったニュアンスのことを沢山書いてきました。
では、荒れたり濁った時には何を投げれば良いのでしょうか?
小さなワームでは見つけてもらえず、水中の状況がわからない時に根がかりしやすいルアーは投げたくない。
そんな時こそ、スピナベの出番です。

スピナベは「く」の字型のワイヤーによってフックポイントが守られているため、かなり根がかりがしにくいルアーです。
ただしこれはラインにテンションをかけて巻いている時に限ります。
スピナベを沈めると水底の障害物に引っ掛かり、たちまち根がかりします。
つまりこれは中層を巻くルアーなのです。

ブレードの形状は一般的に「ウィロー」「コロラド」の二種類。
・シングルウィロー(一番弱い)
・ダブルウィロー(そこそこ弱い)
・シングルコロラド(強い)
・タンデム(ウィロー+コロラドなのでけっこう強い)
・ダブルコロラド(超強い)
組み合わせによって適した水深やリトリーブスピード、波動の強さが変わります。

よく釣れるスピナベの使い方には、諸説あります。
・軽いものをゆっくり巻く
・重いものを素早く巻く
僕の流派は、完全に後者です。
最大の理由はワームの項でも書いたように、遅い=見切られる隙を与える。と考えているからです。
そして、スピナベの根がかり回避性能を活かさない手はありません。
僕は必ず、シャローのややこしい場所やその周辺に投げ込み、素早く巻いてバスをチェイスさせます。
状況がハマれば、ワームなどよりも簡単に多くのバスが釣れる爆発力があります。
ハードルアー随一の根がかり回避性能で使いやすいのが、スピナベの魅力かと思います。

トップウォータールアーは面白さ重視
バスアングラーの中でも、最もハードコアなジャンルがトップウォータールアーです。
酔狂な方の中には、トップウォータールアーしか投げない「トッパー」という方達もいます。
さらに独特な「シリースタイル」という流派もあります。
これは「絶対に釣れない」と思わせるようなふざけた見た目のルアーでバスを釣るというものです。
ここではもう少しソフトに、トップウォータールアーを楽しんでいただきたいと思います。

バスフィッシングで唯一、PEをフルラインでリールに巻く釣り方があります。
それが「フロッグゲーム」です
何故そのようなタックルで釣りが成立するのか?フロッグは、水に沈めることがないからです。
ラインの記事で「PEにはショックリーダが必要」と書きましたが、それすらフロッグゲームでは不要です。
バスフィッシングで下巻きに使うPEラインはせいぜい2号。
フロッグゲームではPE6号など、絶対に切れないほどの強度を持つラインを使用します。
アワセ切れなどするはずもない強度なため、フロッグゲームはPEフルライン+硬いロッドで成立するのです。
また、水に沈める必要がない→ラインが透明である必要がない→PEがベスト!という理由も。

今回、ここまでは「ルアーが勝手に動いて釣れる」ものを紹介してきました。一応、初心者(?)&万人向け(?)の内容なので笑
フロッグを含むトップウォーターゲームは「ルアーを動かして釣る」のが醍醐味なのです。

水面を覆うハス(蓮)や水草で、一見して「どうやって釣るねん!」となる池があります。
そういう場所こそ、フロッグの出番です。
上に書いたように、フロッグは水面で使うルアーです。
ハスの上で動かし、水中のバスに気づかせて、ハスの隙間にある水面で食わせます。

その名の通り、フロッグはカエルを模したルアーです。
シンプルな形をしたこのルアーで、どうのようにバスを騙すのでしょうか?
フロッグの主要なアクションに「ドッグウォーク」というものがあります。
これは竿先を上手く操ることで、フロッグをジグザグに動かすというものです。

フロッグの先端がカップ状に凹んでいるものもあります。
これは「ポッパーフロッグ」というルアーで、先端のカップで音を出し水飛沫を上げることで、バスの捕食本能にスイッチを入れるものです。
クローラーベイトのように水面に波紋をつくるフロッグもあります。
そのような亜種フロッグでも、基本的な使い方は同じです。

水面を割ってルアーに食いつくバスの姿を見られるのは、トップウォータールアーの特権です。
うまく操作して、良いバスを釣ってみてください。

さて。
ひとまず今回はこれくらいにしておきます。
ルアーの種類が少ない?いやいやご冗談を。
どれも極めようと思ったら途方もない時間がかかります。
というか僕も全然極めてないです笑
「全然釣れんのやけど?」
はい。最初はそういうものです。
ルアーには何ら問題ありません。使い手の技量の問題です。
今回挙げたルアーは、むしろ良く釣れる部類のものばかりです。

バスフィッシングを含むルアーゲームの面白いところは、技術的に極めてもなお、状況という要素に大きく左右されるところです。
釣りが上手い方でも、状況とルアーセレクトが合っていないと全然釣れなかったりします。
ここまで忍耐強く読んでいただいた方、あなたにはきっとバスフィッシングの素質があるはず!
次回は「ローカルな釣り」について。
なんじゃそら?って思いますよね。
バスフィッシングは地域性がよく表れますよ〜

はなまた!

ハセガワ

 

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